かいかうわごと
てがろぐ

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No.484

【完走】2025/6/6~ DXCRC「おわりの解法」 GM・作者:まくらさん

PC1 くろはちさん(鹿羽根 信司)
PC2 かざし(バースデー・スチュワート)
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これは順調におわってる具合悪そうな二人
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最新:7/23(完走後まとめ追記)

1日目:
いつもてがろぐの初日ってPCの手触りの話から入ってる気がするんですけど今回のバースデー・スチュワートは思ったより老獪だな……という感じ。
実年齢が40代前後かも知れないという話をしたのも影響してるかも。
思ったよりちゃんとクロケのUGNをしており、まあでもそうしてるからこそ住所不定無職なんだろうなとも思ったりした。やっぱり世知辛いぜ、クロケのUGN……
根拠のない達観がいい具合にコンセプトに一致していてうれしい。地球の裏(いよわ)のような恐ろしい空間のなかで妙に自分に都合が良すぎる存在に(PC1から見て)なりたい!がキャラクター造形のスタートなので。
喋り方については翻訳もの実用書(特に英語圏)によくある妙に尊大だけどフレンドリーな口調を参考にしてます。美術の本とか工学の本とかみたいな。
そして一方通行ダンジョンにエレベーター案があってへえ~!!ってなった。ウテナやペルソナ3、ニーアオートマタといい古今東西オタクはこういうの大好きだよ。
スピード自己紹介嬉しい。こっちからは言い出さないだろうな~と思って敢えて鹿羽根さんの自由意思に任せてたので本人らしい名乗り方で嬉しかった。ホンモノの警察手帳だ~
なんかこう、雰囲気がハードボイルドで良いんだよな……クロケだから、というよりまくらシナリオの雰囲気なのかも。苦みがあるからこそかっこつける甲斐がある。こういう世界でも信念とまで大層には言わないが己の意志はあるんだという気持ちになるんだよね。

2日目:
芸術的なファンブル、嬉しい!
せっかく背がデカいので上からひょいって取るのやれて嬉しかった……。
会話の中のランチ、一瞬ディナーって書こうとしてそれはデートになってしまうと思ってやめた。そういう気はないよ!全身全霊まごころだよ。
フルネーム、名乗るかな~?って思ったけど名乗ってくれる流れになった。棄ててはいないしあるにはあるけど、行きずりの人には呼ばせてないくらいの塩梅。
あの 鹿羽根さんの情報項目……俺達って……
バースデーのDロはおおむね私のヘキに合わせただけなんですけど……けど……
バースデーのRPしてたらなんだかPLも泣きそうになった。ライフパスとここまでの流れから来る心情を考えてたら……
善性の人間って……(最近なかった、卓でPCとPLがどっちも泣く実績を解除した)

3日目:
捨て犬になっちゃってる鹿羽根さんかわいいね……
上を向かせるところでワ!オラついてる!って思ったらそんなことはなかった。
RPをしながらバースデーのキーって「手を伸ばす」なんだなあって思っていた。
そしてそんなバースデーの目の前で腱やら骨やら虐待されてる鹿羽根さん(嬉しい)
ところで私HOに関係なく、辛いことを覚えていることを放棄した長命種が好きなのかもしれない。
このへんは物語シリーズの影響もあるかも。
そしてまた鹿羽根さんが一行喋る間に三行喋ってる。文字数自体は6倍くらいになってるからすごいおしゃべりだ……
なんとなく多弁なシーンを見ているとこの人は動揺を隠すために喋るタイプなんじゃないかなと思う。黙ってると嘘がバレちゃうタイプ。
あの………PC①のもうひとつのあれ………あれさ………
バースデーの優しさって……
ところで仮に二人が生きていけることになんとかなったとして、その道だと住所不定無職成人男性×2になるのか……転がり込む家もないぜ!


完走後のまとめ
本当にすごく纏まっているというかなんというか……何をやります、をはっきりと明示しつつどんどん深みに落として足を取っていくのが職人技のシナリオだと思いました。
起きてること、脅威そのもののスケールは整理してみるとあまり大きくないんですよね。一般人ひとりと、エージェントひとりが死んでFHが逃亡して終わり。
そういうまとまり方にもしも彼らがPCでなかったらなってもおかしくない。本編でも霧谷さんの助力がなかったらその結末に近しいものになっていても全くおかしくない。
それでも、一人称の脅威として極限まで本能をやすりがけしていく様がそういうことを思わせない。世界のことを考える前に自分の身の恐怖に夢中になってしまうのが人間だ。そう試してその通りになってしまう。
そして、たとえ自分より案ずるもの(相方PC)が存在していてもどうしようもない転落を目の前で見守るしかない。
PC②の心としては自分と関わらなければ死も、今後纏わりつくオーヴァードの苦しみも遠くでいられたPC①には悔やんでしかたなかったな〜と思ってました。
PC①の心中を案じても、助けの一筋であったPC②こそ既に泥の中にいたことがわかったとき(プラヌラの居場所あたりの話を言っている)のことを思うとすごい気持ちになってしまう。
そして、自己同一を問う二者択一。これもすごく秀逸で……
これ、自卓が選ばなかった方(忘れる方)も、一筋の救いを願えるんですよね。
PC②が迎えに来るかもしれない、それは確証もなければ直ちに幸福を意味するわけでもない。
でも、たとえPC①が忘れてもPC②はそれを願うかもしれないし、これを選んだ瞬間のPC①の心に確かに浮かんだ可能性なんだろうと(選択肢の文章をPC①の思考の代弁と解釈すると)
だから、この選択肢は正解とかバッドエンド分岐とか、そういうのでは絶対にない。と勝手にPLは思いました。
おわりの解法、それって謎解きじゃなくて自分の答えを解きほぐしていったのかな〜って思ってます。
最後の脳缶も、それこそ解放なのかな……とか思いました。すごく自分勝手で、それで彼が救われるなんて烏滸がましい。苦しみから解法するなんて驕りではなく、これは彼の思いを解き放ってぶつけさせる……みたいな感覚を尊厳なき死で思いました。
無念、不条理、不運、そういうどうしようもないものを何かにぶつけたい。誰を恨んでも恨むものを解いていくと結局そんな運を踏み抜いた自分なんだ。それって脳缶の思いだけじゃなくてそこに立ってるPC①だってまったく同じなんですよね。
ここからは選択肢の先の自卓の話。
鹿羽根さんは全てを覚えたまま今の自分の生を選んだ。バースデーは全編通して絆を信じてて、理想を追うにはこの世界は苦しくて濁ってるけれど、それでもかき集める行動をしなければ一欠片も集まらない。
だって、既に自分は死んでいてロイスにある復讐の先だって過ぎ去った年数を考えるととっくに絶えていると考えた方が自然だ。
これだけ時が経てば、俗人のふりをして生きた方が楽に決まってる。でもバースデーはそうしない人だった。
UGNが転覆したボートの板切れだってわかっていても、掴んでいることを選んだ。
バースデーって霧谷さんにかなり敬意と忠誠を持ってるんですよね。かつての主人に似ている生き方の姿というのもあるし、なにより霧の中のこの世界に灯台であろうとして波に打たれる姿に感銘したんだと思います。
だから、鹿羽根さんの選択から朝食のシーンに繋がったときに彼らは生きていくんだな……って思いました。
二人とも肉体の生はとっくに終わっていて、人生を続けることを止めることも容易い。この世界が良い方に向かう可能性は限りなく小さくて、どう考えたって苦しいことはいっぱい起きる。
でも、朝ごはんを食べて家に帰る。寝るところを用意する。肉体があるから。
これが習慣をなぞった無意味なものとは思えないし思いたくないなとPLは思ってます。お腹が減って、身体がまだ動いてたいというサインに応えてあげる。それは選択の答えなんだろうと思ってます。

最後に、素晴らしいシナリオを執筆しGMしてくださったまくらさん。そして、同じ世界を一緒に歩いてくれて選んでくれた鹿羽根さんとくろはちさんに感謝をお送りして感想を締めます。本当にありがとうございました!
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